飛ばし（飛ばす）とは？

　ネットでお金にまつわる相談を持ちかけるとき・・

　このように「飛ばし（飛ばす）」という言葉を見ることがあります。この「飛ばし」の意味・使い方についてまとめます。

「飛ばし（飛ばす）」とはどんな意味なのか？

　闇金を利用している方が「飛ばし」と言うときは・・

　この意味になります。

　返済日がきているにもかかわらず何の行動もせずに放置します。闇金からの督促の連絡があっても無視を続けてそのまま逃げます（借りパクをします）。多くの場合、連絡はLINEを使用するので・・

　飛ばしだと知ったヤミ金は、勤め先へ電話をかけてくるかもしれません。これを防ぐために、ヤミ金へ申告した電話番号の電話機には「非通知拒否」の設定をしておきます。

　ヤミ金は手元の電話番号がバレたくないので「非通知」で電話をかけてきます。

闇金の借入を飛ばす考え方で大丈夫なのか？

　闇金について議論するとき、あまりにも「飛ばす」という言葉がよく使われるので・・

　これを考える方は多いはずです。しかし、どんな嫌がらせ行為をしてくるか分からないヤミ金を憤慨させることは、予想外の結果になることもあるので・・

　ヤミ金に損害を与える行為は、予測できない嫌がらせ被害（会社、友人へ電話して恫喝するなど）が予想されます。

ヤミ金の借入を飛ばす行為は法律ではどうなる？

　闇金から借りたお金を返さず無視、借り逃げすることはひどい事をしているように思えますが、ヤミ金からの借入は利息制限法の上限（貸付け額に応じて15%～20%）を大幅に超える利息なので・・

当該契約は無効であり、利息については一切支払う必要がありません

引用元：ヤミ金融対策法が成立しました｜金融庁

　ヤミ金から借りたお金は「ヤミ金対策法」で示されているように返済する必要がありません。

　ヤミ金対策法にある「契約は無効」とは・・

　この意味になります。

　飛ばしてしまうと ヤミ金からの迷惑行為によって会社や友人などの信用がなくなる恐れがあるので なかなか決断できませんが、本来は返済しない：飛ばしてよいことになります。

飛ばす理由：ヤミ金への返済で首が回らない

　つぎは、実際に飛ばすとどうなるのか？について、飛ばす状況まで追い込まれた方のエピソードを参考にします。

　ヤミ金を踏み倒す理由として最も多い、ヤミ金の返済に宛てるお金が底をついて破綻してしまった方です。

　ヤミ金の利息はかなり高額なので、どんどんお金が消えていきます。やがて 生活費が底をついてしまうので気持ちが折れて「危険」と言われる借り逃げを考えるようになります。

ヤミ金を踏み倒すと迷惑行為を想定しておく

　ヤミ金の中には、ベテラン司法書士でも対処が難しい「極悪」レベルだと言われる業者がいます。

　司法書士へ依頼せずに このレベルのヤミ金を飛ばすことは、かなり危険な行為であるといえます。

会社がヤミ金の撃退に協力してくれる場合

　先の「すでに会社に話すことができた方」へのアドバイスです。

　とても恥ずかしいですが、会社や周りの人たちへ ヤミ金から借りている事実を打ち明けることが重要になります。

　そうなると、ヤミ金が言ってくる・・

　この脅しは すでに効かないことになります。

　しかし、司法書士から「極悪」と注意喚起されるヤミ金になると、迷惑行為を次々と仕掛けてきて・・

　どの範囲まで迷惑行為が及ぶのか、それがいつまで続くのか？については予測できません。なので、現在 手元にお金がなかったとしても正しい選択は司法書士への相談です。

　司法書士の中には最初に徴収する費用：着手金を不要とするところがあります。着手金なし・相談無料・後払いができる（以下のような）司法書士へ相談し、今後の対策を話し合うべきです。

飛ばすと身分証など個人情報を公開する闇金がある

　ヤミ金を踏み倒すと、こんな嫌がらせをされることがあります。

　ヤミ金が個人情報を晒す専用のサイトを保有しており、そのURLをヤミ金が見せる（脅しに使う）ことがあります。

　実際に確認してみると、顔写真、免許証がハッキリ分かる写真がそのまま掲載されています。このタイプの嫌がらせをするヤミ金の対策も ヤミ金を専門とする司法書士へ相談します。

司法書士へヤミ金対策を依頼するとき

　ヤミ金からの借入は違法なので 法律的には「払わず飛ばしてよい」と分かっていても、決断ができない方は多いはずです。そうなると、司法書士への依頼を検討しますが・・

　これが分からないために不安になります。そこで、ヤミ金専門の司法書士へ依頼するとき、その後の対応について見ていきます。

闇金対策を依頼する料金とは？

　まずは司法書士へ依頼するときの費用からです。

　闇金対応にかかる費用は1社（ヤミ金業者 1件）あたり・・

　どこの業者に依頼しても相場はこのあたりになるので、安さ重視で選ぶのではなく実績のある司法書士にして安心感を優先します。

料金は前払いか？後払いに対応できるか確認しておく

　司法書士にヤミ金対策を依頼するときは、手元にお金がないピンチの状況であるはずです。そんなときに司法書士から着手金の支払いを求められると困ってしまいます。

　なので、支払いに関することを全て後回しにできる業者を選びます。

　初回：当月の支払いは無料であることを確認してから話をスタート → 作業が完了 → 次の給料日から分割払いをスタートできればベストです。そのような ヤミ金専門の司法書士を見ていきます。

手順１：司法書士へヤミ金対策の依頼をスタート

　まず、司法書士サイトの「ヤミ金解決診断」のアンケートに記入します。

　いくつかの質問に答えてから、「名前・メール・電話番号・電話が可能となる時間・備考」などを入力して「無料診断する」のボタンを押します。

　下の画像から司法書士の受付ページへ移動できます。

手順２：契約する 対策と心構え・件数を相談

　司法書士へ今の状況を説明し、どんな内容の和解にするのか？これまでのヤミ金対策の実績から予想される闇金の行動、その対策・心構えについて話し合います。そのとき・・

　これらを相談して、依頼の範囲・料金を確定します。その後、すべて納得できた段階で 司法書士にて受任（契約の締結）となります。

　この手続きを終えると、正式に司法書士が相談者に代わりヤミ金と交渉・対応することになります。

手順３：ヤミ金との交渉に入ります

　司法書士が直接 ヤミ金と交渉に入ります。この段階になるとまもなくヤミ金からの電話・督促がストップします。

　依頼した和解の内容が「ゼロ和解」なら、ヤミ金から借りた元金の返済を一切せずに解決まで導きます。

　元金和解なら元金まで足りない金額を送金してから契約終了なので、ヤミ金は損害が無い状態での終了となります。そのため、嫌がらせ行為の可能性は大幅に減ります。

ゼロ和解ならヤミ金から拒否されるようになる

　ゼロ和解をすると ヤミ金は元金が帰ってこないまま損失アリで強制終了なので抵抗する業者がありますが、司法書士が適切な判断をしてくれます。

　そして、利用者は系列ヤミ金の「拒否リスト」に入ることになるので・・

　借りたくても、多くのヤミ金から拒否されてしまい否決が続きます。これは「ヤミ金を卒業できた」状態だといえます。

手順４：最終的な解決 闇金対策の完了

　司法書士が闇金と交渉してから、ヤミ金からの請求や督促（電話・メール・その他）がすべてが停止されたことを確認できたなら・・

　一定期間なにも起きないなら解決できています。忘れた頃になって、またヤミ金からの嫌がらせが開始されることはあり得ないことです。

　ヤミ金専門の司法書士なら、トラブル解決後のアフターフォローもしてくれるので、気になることがあるときは相談してみるべきです。

飛ばした後にはどうなる？

　司法書士へ依頼せず、返済を無視して飛ばした場合にどうなるか見ていきます。

　踏み倒した翌日になると、飛ばし闇金から嫌がらせ電話がかかってくるかもしれません。このとき、警察へ連絡して・・

　と言っても動いてくれないことがあります。これは 民事不介入の原則：民間のいざこざに警察が積極的に介入すべきではないと判断しているからです。

　そうではなく、生活が脅かされている事実を警察に知ってもらうために必要な情報を集めます。

ヤミ金融対策マニュアルによる正しい手続き

　金融庁ではヤミ金被害の撲滅を目指して「ヤミ金融対策マニュアル」を設置しています。これに目を通すことで正しいヤミ金の対処法が分かります。

　まず、ヤミ金被害に遭遇している事実が分かるように「ヤミ金融被害調査表」を作成します。記載すべき内容はこうなります。

　これらの情報を 実際に送金に利用した預金通帳やLINEの取引履歴などから転記してまとめます。

　そして、これまでのヤミ金とのつき合いが分かる履歴データを「取引状況一覧表」としてまとめます。そして・・

取引状況一覧表とヤミ金業者の銀行送金の控・メモなどの資料を持って警察署の生活安全課に口頭で被害届を提出します

引用元：ヤミ金融対策マニュアル｜金融庁

　これでヤミ金の被害を警察に知ってもらうことができます。

すでに厳しい取立に悩まされているとき

　ヤミ金融対策マニュアルに従い、警察署の生活安全課に被害届を提出している最中にも ひどい嫌がらせが続いているときは、同じ生活安全課にて・・

　これをすることにより、出資法違反の告発、および告訴を行い、早めに捜査をスタートして何らかの対処を求めることができます。

飛ばした闇金が家に押しかけてくることはある？

　飛ばしたヤミ金から電話がかかってきて・・

　と言われることがあるかもしれません。

　しかし、SNS：Xで見つかるソフト闇金の嫌がらせは電話を使って遠隔から行う手法ばかりであり、自宅に押しかけて危害を加える可能性は低いといえます。

闇金は検挙されないように常に隠れている

　闇金は所在地を明かさずに営業します。つまり、無登録営業をしているため・・

10年以下の懲役もしくは3,000万円以下の罰金、またはこれが併科される。

引用元：貸金業法の概要｜日本貸金業協会

　このヤミ金融対策法に違反していながら 利息制限法を超えた利息で融資しており、さらに取立では嫌がらせ行為を行うとなれば、身元がばれて裁判になると敗訴が確実となります。

　そのため、あらゆる追跡から逃れたいので・・

　これらのリスク対策をしながら 目立たないように慎重に業務を行っています。そんなスタイルなので、飛ばした客の追い込みのために身元がバレるような行動をすることはあり得ないといえます。

　もし、ヤミ金が会社に取り立てに来たとするなら、貸金業法に違反しているため刑事罰の対象となります。

被害届を提出した事実を 飛ばしたヤミ金へ報告する

　警察へヤミ金の被害届を提出することは・・

　なので、被害届を出した事実を早めにヤミ金に連絡します。そして、通話の内容はいつも録音しており その音声データも被害の証拠として提出していることを伝えます。

　その後 ヤミ金が大人しくなれば成功ですが、まだ続くなら「恫喝してきた音声データ」も嫌がらせの証拠として追加で提出します。この頃になるとヤミ金の追い込みが止まるはずです。